滝本竜彦の本を読んだとかそんな話

いちいち数ポストに分割してtwitterに投稿するのも面倒だし、これからは140字に収まりそうになかったらこっちに感想書いていきます。


NHKにようこそ』とかいう原作小説もアニメもコミックも面白い滝本竜彦作品。

なんだかんだで立て続けに3冊読んだ。『ネガティブ・ハッピー・チェーンソーエッジ』と『NHKにようこそ』は随分前に読んでるから、これで本になってる滝本竜彦作品は全部読んだことになるはず。多分。

まず一冊目に読んだのはこれ。

初出は2004年で刊行は去年。完成までに6年かかったとかなんとか。
「とにかく低レベルな存在」らしい中学生男子が主人公のファンタジーもの。
なんともフワフワした内容だった。読み進めるにつれて今主人公が実際に何かしら行動をしてるのか、夢や幻覚でも見てるのかもハッキリしなくなっていくような文章。しかも、読み終わってみれば物語自体が入れ子構造になってるもんだから一層フワフワした感じに。(ちなみに、少し前に似たようなことをtwitterにも書いた。それも字数の関係で3postに分割して。1postに収まらないなら最初からこっちに書けばいいものを。)
これがなかなかに面白かったもんだから、他作品も読んでみようって気になって手にとったのが↓

僕のエア
滝本 竜彦
文藝春秋
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初出は2004年で刊行は2010年。24歳のクズフリーターが想像上(幻覚)の少女エアに付き纏われながら、躁鬱で上下してみたり、禁欲してみたり、嘘まみれの元同級生や下着泥棒もどきの大家と大麻育ててみたりする、いかにも滝本竜彦小説な内容。主人公が終始ダメだダメだ言ってるのもこれまで通り。でも、最後が酷かった。それはもう週刊漫画の打ち切り並みの唐突な展開と唐突な終わり方(最終章になって降って湧いたように同棲生活が始まって、各人のその後を描写したかと思ったら、物語の頭から全ての元凶のように扱われてた初恋相手(冒頭で結婚式の招待状を送ってきた)と再会し、エアは消滅して終了)で、読んでて頭抱えた。綺麗に終われと言うつもりは毛頭ないけど、もう少しどうにかならなかったのかな。

で、最後の1冊がこれ。

超人計画 (角川文庫)
滝本 竜彦
角川書店
売り上げランキング: 101232

初出は2003年で2006年に単行本化。脳内彼女レイとの対話という形で文章が進む、エッセイの体をした面白ネタ本。
テレビ出演・出会い系・スキンヘッド・合法ドラッグ・大学時代のトラウマなんかをネタに笑える文章が書かれてるんだけど、読んでると所々でチクチク刺さった。まぁ面白かったことには違いない。でも、自虐・ネガティブ・クズ全開なだけあって読後感は良くなかった。

『ムーの少年』ではそれまでの芸風をほとんど捨てた感があった。次はどんなの書くのかな。